SHOCKMAN-BASEでは、「日本をテキスタイル上に再構築する」 というテーマのもと、
全く新しいアプローチによってテキスタイルを創り出しています。
真鍮×正絹|異素材mixのテキスタイル
タテ糸にシルクリボン・ヨコ糸に真鍮リボンをメインに構成されています。
「リボン織り」という技法を用いていますが、ヨコ糸に独自開発した真鍮リボンを織り込んだ異素材mixのテキスタイルです。
さらに、金属を染めるブルーイングという技法を用いて、”金属絣”という新たなリボンを作り上げました。
(制作の様子もブログ書いてますので、興味ある方はこちらへ。)
真鍮と正絹を組み合わせる意図は、無機物なモノと有機物なモノの共存にあります。
昔も今も、無と有の間にずっと未来は佇んでいるのです。
そのコンテクストは変わっていきますが、人の本質は変わっていません。
それを象徴するように、真鍮と正絹は幾重にも織り上げられて1枚のテキスタイルになるのです。
金属絣と侘びの精神
今作品は、千利休が求めた”侘びの精神”をテキスタイル上に再構築しています。
制作テーマは、不完全の永遠性です。
利休の作り上げた待庵という空間は、自分の表現しうる最大の領域であるのではないかと思うのです。
広すぎては手入れも行き届かず、さすれば意識を張り巡らせることができません。
僕はモノづくりをしている身なので刺すように分かりますが、自らを動かして触れるということが非常に意味を成すのであります。
自分の精一杯をぶつけられる空間に居ると、それでも行き届かないことを知るに至ります。
茶碗が欠けてしまったり、土壁がボロボロとし出したり。
これは、自己というものが根本的に欠けているということへの気づきなのです。
精一杯故に、侘びるのであります。
そしてそれを自らが受け入れることで、永遠へと昇華していくのです。
僕の思う侘びは、金属絣という独自のアプローチによって表現しています。
真鍮リボンを刷毛で染めることによって、部分的にかすれたようなくすみを生じさせています。
タテ糸はリボンをムラ染めし、むらむらするダークを表現しています。
黒という色は、光があるからこそ黒でいられる。
故に、真っ黒ではなく蠢く黒であるだろう。
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