「テキスタイルデザイナーになるには?」
この疑問に対して、何かの突破口になればと思っています。
こんにちは、SHOCKMANです。
先日、文化服装学院ファッションテキスタイル科で特別講義をしに行ってきました。
テキスタイル科の生徒は、産地に目を向けている学生も多数います。
僕もそのひとりでした。
現在、機屋のマルチプレイヤーとして、テキスタイルデザインもやる織人ポジションにいます。
僕的には、現在進行形だけど最短ルートでここまで来たという自負があって、
目指す方向に着実に近づいているという実感があるのだ。
テキスタイルデザイナーと一口にいっても、いろんな方向があることを知ると、
「テキスタイルデザイナーになるには?」
という問いが途方もなく抽象的であることに気付かされる。
大事なのは、どの方向を目指すのか!?
今回は、その辺を書いていこいうと思います。
テキスタイルの道に進みたいけど、ようわからんという人のために、
考える一つの材料になればと思います。
テキスタイルデザイナーになるためには、まず方向を見定めよ!
テキスタイルには色んな世界がある
テキスタイルの定義とか知ったこっちゃないが、
ざっくり分けても、織り物、染め物、捺染、編み物、革、不織布などなど、、、、
僕は機屋と呼ばれる織りの業界にいるんですが、ここだけでもかなりディープな世界です。
おそらく、面倒くささと奥深さはダントツ
複雑な分、誰にも真似できないモノづくりや表現のアプローチがあると思っています。
僕はマルチ織人なので、デザインから織るまで全てやっています。
ディープな世界だけに、デザインだけに携わっていても見えないものって多いんですよね。
糸1本からデザインしたい!
そう思うと、現場で自らやるということが大事になってきます。
地獄のような作業もいっぱいあるけどネ。笑
染めや捺染(プリント)は、織りとはガラッと違った世界があります。
日本各地色んな染め方があるし、天然染めもまた色々
プリントも、織りとは違って重ねることで出せる表現があったり、
異質なものを貼り付けたり、機能性を持たせたり、色々
革・編み物・などの世界はあまり知らないので、カットします。
一口にテキスタイルといっても、いろんな入り口があって表現の仕方があります。
自分が何をプロダクトしたいか?、どこに興味があるのか?、どういうビジョンを持っているのか?
まずは、そこを探るところから!
時間はかかるけれどテキスタイルの世界は奥深く、探究はどこまでも続きます。
どの入り口をくぐるのか、スタート位置を定めるということは大事な選択の一つなのです。
自分の目指したい方向が何かを知る
全く知らないなら、専門学校に行くべき!
というのが結論。
僕は全然違う業界での仕事を辞めて、文化服装学院ファッションテキスタイル科に入学した経緯があります。
「テキスタイルデザイナーになりたい!」
という段階の人は、ほぼ方向が定まっていないのでまず知ることから始めることです。
幅広い分野なので、就職後から方向転換はなかなか難しいと思います。
なので、専門学校へ行き体系的に学ぶ方が遠回りのようで近道
僕の場合、織りだけでなく糸染めもやるので、色々勉強しておいて良かった〜と実感しています。
テキスタイルデザイナーを目指せる専門学校、どこへ行く?
結論
1番有名なところに行くべき!
僕は、「文化服装学院ファッションテキスタイル科」一択でした。
テキスタイルを学べる専門学校はたくさんありますが、大きな理由は3つ。
1)業界人の認知度が高い
2)設備が充実している
3)縫製が学べる
自分が入学したからバイアスかかっているかもしれませんけど、
他出身の人らの話聞いていても、国内だとここが一番だなぁと感じたのです。
文化服装学院を選ぶ理由1
専門学校というのはどこまでも専門学校で、大学に比べるとカードとしては弱いです。
であれば、認知度の高いところがいいだろうという話!
文化服装出身のデザイナーは多いので、産地のおじさんも知っていて勝手にイメージアップします。笑
あと何故かしら、他の専門学生よりも文化服装学生の方が評価が高いということがあります。
分母が大きい分競争率が強くなり、結果優秀な人材が生まれやすいということはあると思いますが。
意欲的に学びたいなら、名が通っていて生徒数も多い方が刺激も強いはずです。
文化服装学院を選ぶ理由2
モノづくりをする上で設備の充実度というのはすごく大事な部分です。
文化服装学院ファッションテキスタイル科では、3年のカリキュラムの中で「服作り」「プリント」「染め」「手織り」「郊外学習で機械織り」など、
時間の多くは体験的学習となります。
学生の内に、できる限りいろんなテキスタイル表現を学ぶチャンスを活かしたい
そのためには、設備の充実した場所で学ぶべきだと思うのです。
それから、僕が惹かれた最大の理由は図書館の充実度
卒業生も通う人が多いくらいに、服飾〜他ジャンルの本がたくさん集められています。
とにかく読みまくれ!
デザイナーにとって圧倒的インプットすることは、後々役に立つこと間違いなしなのです。
当時の僕は、図書館デカイという理由だけで即決したのでした。
文化服装学院を選ぶ理由3
一般的テキスタイルは、その後カタチになることが前提となります。
テキスタイルデザイナーに縫製要素が必要とは思いませんけど、
「縫製を知っている」というのは、大きな強みになると思います。
個人的な経験で言えば、
手芸好きの一般ユーザーに売るときの、どんな服にしようかトークに共感できたということ。
縫いにくい、などの情報を先に伝えられたこと。
など、ちょっとしたことでも知っているかどうかで、トークの組み立てが随分違います。
また、自分でカタチにすることで具体的に提案できるという点があります。
カンタンなものだと、ストールの端処理をサッとできるだとか
もしくは、インテリア・小物・服など、外注すると結構なお金がかかるところを自分でやれる
自分でやれる幅を増やしておくことは大事です。
特に、テキスタイルと一番結びつくものは「縫製」
であれば、ここ押さえておくことに間違いはないハズダ!
テキスタイルデザイナーになるために、考えるべきこと!
とにかくまずはテキスタイル界の全体像を掴むということ。
そのために僕は専門学校へ行き、遠回りのようでそれが一番オススメですよという話をしていきました。
テキスタイルデザイナーという仕事
僕みたいに現場で自ら作るパターンは稀で、
一般的には、どこかデカいブランド(メーカー)の企画・産元の企画・独立デザイナー
なんだと思いますが、
どのルートにいっても、経験値の積み重ねがモノを言う世界です。
テキスタイルの企画、加工、技法やディテール、
どのレベルを目指すかにもよるけど、やるべきことはたくさんあります。
つまり、長い戦いになるということ!
とにかく長期戦に備えてのモチベーション維持ということが課題になっていきます。
なので、目指す上で常に考えておくべきこととして
テキスタイルの先に何を求めるか!?
ここのビジョンを描けているかどうかが、決め手になるような気がします。
僕の場合、
産地衰退という現実を見て、
自分と同じように現場でモノづくりをする若手(職人)を増やしていきたい!というビジョンがあります。
かなり特殊な動機からテキスタイル創りの道に入っているんですが、
ここに対する信念があるからこそ、過酷な現場を選択し続けていると言えます。
テキスタイルマスターへの道は果てしない、
5年目の今も、つくづくそう思いながら日々新しいことを覚えて実践しています。
このページを見た方の多くは、
テキスタイルに興味を持ち始めて、新たな世界に挑戦したいなという想いがあるんだと思います。
僕も試行錯Goして、クネクネ歩きながらようやくスタートラインに立てた身
先は長ーーーいけど、挑戦する価値は十分にある!
あとは、目指すべき方向を決めて突き進むのみです!