川で洗濯って昔ばなし?いやいや今でもやってますよ。

kasuri

洗濯機がなければ、川で洗うの当たり前。
ないから今でも洗ってるんです。

といっても、僕が洗うのは「糸」です!
僕のいる「創作工房糸あそび」では、手染めによる絣を得意としています。
シルクの糸をベースに使った他にはないこだわりの布創りを小ロット対応でやっています。

今回は、そんな染めの後の洗い部分をご紹介します!

なぜ川で洗うの?

よくお客さんの取材で聞かれるんですけど、すごい良い返しが来ると思っていて言いづらい。


ぶっちゃけ、、、手っ取り早い!これに尽きますから。笑

糸を洗うときに注意すべきことは、移染しないかです。
水が溜まった状態だと、染めた糸に洗い流された染料がくっついて最悪染まります。
特に、濃い色と薄い色の絣だとリスクが高いので気をつけます。

なので、川の流れを利用して、一気に押し流して洗うことで移染を避けます。

糸染め。川で洗う。

上は、僕の師が洗っている図です。
棒にカセを掛けて、叩くようにして洗います。

糸洗い、絞り中の図

そして、絞る。
この繰り返しです。

糸染め、川で洗う

洗っている時はしんどいんで作業に没頭していますけど、
こうやって瞬間の糸たちを見ていると、いとしい気持ちになります。

たかが糸、されど

今は全て僕が引き継ぎましたけど、結構な重労働なんですよね。
水を含んだ糸は重い!重い!

洗い作業も一苦労です。。

川で洗うのもその時のコンディションによります。
雨上がりだと川も汚いので、その時は寸胴に水を張って流しっぱなしで洗います。

寸胴に水を張って洗うの図
寸胴張って糸を洗うの図2

狭い分、ひとカセずつ洗うことになるんで足腰にくるんですよね。

なので、川で洗う方が手っ取り早いって思っちゃうんです。。

春夏秋冬、やるから職人

夏は気持ちいいですよ。

冬は修行になります。
「染め」作業自体寒くて、手の感覚はなくなるぐらいです。
「洗い」作業はもう業だと思うようにしています。笑

凍った糸

だって、朝一から染めようと思ったらカチンカチンになるぐらいです。

寒いって理由で染めやらないとは行きません。
オーダーがあれば、やるっきゃない!

川洗い。冬でもやってます、

雪積もる川にも、躊躇はするけど入る!
気合が違うんで、やれる限りやります。(ムダな気合)

長靴の上場が、デッドラインって感覚、初体験でした。笑

フィックス

染め終わって洗ったら終わりではありません。

ここから、fix剤といって染料の入りを固定する液剤につけます。

糸染め、フィックス作業中。

40度くらいのぬるま湯に、数十分浸けておきます。


そして、その後、もう一度洗い!
ここではもう色落ちもほぼないので、表面についた汚れを落とす意味で洗いをやります。

とはいっても、一つずつ洗っていくので汗の出る作業です。

糸染め、日陰干し

最後、脱水をして日陰干してフィニッシュです!
シルクは、日光堅牢度が弱いので、あまり長時間光には当てない方が良いです。

あとがき

いかがだったでしょう?

たかだか染めた後の作業、では語れない汗と覚悟がそこにあります。
しんどいけど、こういった作業一つ一つをどのクオリティでやれるかってのが、布の熱量になるんだと思っています。
プロ(職人)と素人の圧倒的差はここです。
年中通して、高いクオリティを維持できるかってことを自分に問うて、
日々モノづくりと向かい合いたいと思うのです。

kasuri
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