創作工房糸あそびで創るテキスタイルの、差別化の一つが”絣染め”。
今では珍しくなった”漬け染め”によって表現します。
前は京都でもやっていた染め方らしいのだが、これが出来る職人の減少と共になくなっています。
実際僕が引き継いで、「そりゃそうだよなぁ。」と思うところが多々あるわけです。
その一つが、
再現性の難易度がべらぼうに高い!
今回は、その辺のことを書いてみます。
再現性難易度Maxの漬け染め
僕がやっている浸け染めは、カセを漬けて、ズラして漬けてを繰り返し行い染めていくものです。
きっちりとカセを揃えて染料に漬けます。
漬けるピッチをあらかじ確認しておいて、その分まで下げて色を入れていきます。
この作業を繰り返しおこなっていくわけですが、ここが難しいところ!
何度も漬けていくと、染料濃度自体は下がっていくので色が合わなくなってしまいます。
そのために、多めに作っておいて継ぎ足すことをするんですが。
染料濃度が変わってくるのでその度に色を確認し、場合によっては染料を作ることもしばしば。。汗
お客さんからのリピート生産があった場合、再現できるように色味をコントロールできなきゃいけません。
経験値と色を見極める目がないと、到底合わせられない!
ここの難易度が、この染めの希少性をあげていことに繋がっているのです。
漬け染めの味
一般的に流通している絣は、機械や括りによるものです。
難易度の高い漬け染めをするのには、他と大きく異なる違いが差別化となるからです。
1)絣の重なり具合
機械であれば、重なり方は一定にしかできません。
手染めによって行うので、この重なり具合にバラつきが出る点が一つです。
際のボカシがランダムにあることで、織った時より奥行きのある表現が可能なのです。
2)染めのピッチ自在
二つ目が染めのピッチ幅を変えられる点です。
青多めで!
ぐらいの感じで、どのくらいで染めるかは現場で調整していきます。
最終織りに入った時の色をイメージしながらなので、感覚的な部分も多いわけですが。
この細かいオーダーも、機械では難しいところなんです。
むちゃぶりな再現
創作工房糸あそびにある昔のテキスタイルの再現の仕事がやってきました。
フランスのセレクトショップに置いていて、かなり評判の良かった色味です。
絵に描いたような渋い和の感じが、受けたのかな?と思ったり。
色を分解していくと、かなり複雑!
まずは、地道に色出しをして合わせていきます。。
生地を睨んで、メインの色たちを抽出。
この辺を軸にして、絣のピッチを決めていきます。
同じ色味でも濃淡が異なっているので、染めるときに分けていこう。
調整に苦戦しながらも、なんとか染めフィニッシュ!
この段階では、どのくらい合っているかはわかりません。
織ってみて、、、ですけど外してはなさそう。
洗って乾燥するともう少し色が薄くなるので、その辺も見越して作っています。
(経験値がモノを言う)
まぁまぁあってるんじゃ〜ないでしょうか。
絣なので、部分的に見て合うってことは難しいので。
全体で見て再現できていれば、合格!
アップで見てもらうとわかるように、タテヨコリボンなんです!
これは世界中探しても、糸あそびだけの技です。(リボンがよじれてない)
そこに、さらに絣という差別化を加えて完全オリジナルに仕上がっています!
まとめ
糸あそびでやっている”漬け染め”
少しだけですけど、この染めの難易度と差別化ポイントについて書きました。
僕はもっともっとこの染めを極めて、オリジナル道を爆走します!
難しさというのは、惹きつける魅力の一つだと思っているからです。
語ることでそれを伝えなくとも、一発で伝わるインパクト( SHOCK)で、わからんけど食らう!みたいな。
そのぐらいに、この染めでないと出ない味というものを僕は知っています。
多くの人に堪能してもらえるように、これからも頑張っていこう!