こんにちは、SHOCKMANです。
今回は織りの仕事の一つを紹介していきます。
タテ糸を繋いだあとは、この結び目を前に引っ張る作業、通称「引っ越し」です。
8000本の結び目の大移動です。
マニアックな世界ですけど、テキスタイル(織物)が作られる工程が少しわかるかと思います。
タテ糸を繋いだ後の仕事
タテ糸を繋いだあとは、繋ぎ目がズラーっと並んだ状態です。
この時に絡まっていると、その先のドロッパーで撃沈してしまうのでクシで解いたりしてほぐしておきます。
ドロッパーとは、タテ糸1本1本に通す金属の板状のものです。
タテ糸が切れてこれが下に落ちると、通電し織機が止まる仕組みになっています。
今回は、新子石丸という高級なシルクの糸に繋ぎ変えです。
普通の生糸よりもハリ感が強いので、絡みつきやすい!涙
ドロッパーが一番の難所
ドロッパーを通す時には、手前で少し糸を緩めます。
ここで引っ掛かろうとする糸をほぐすように、ドロッパーを手で揺すって
前で糸をたたいて、少しずつ前に通します。
強引に前に引っ張ろうとすると、タテ糸がプチプチと切れていきめんどくさ〜いことになるので慎重に!
経験がモノを言います。
糸によっては、引っ越し中ずーっとテンションをかけないだとか、捌き方も人それぞれだったりします。
今回は、かなり絡みやすいので苦労しました。
だけど、ここが一番の難所なんで踏ん張りどころ。
絡んで引っかかっているところ、一つ一つ解いていくしかない。
根気というより、どうやったらスムーズに解けるか考えながらの作業です。
闇雲にやっても到底ムリなのだ。
やっと通りました!
いや〜大変だった。。。
ここ通すだけで半日もかかってもうた。汗
蒸し暑いので、汗だくになりながらも焦らずやりやした。
生糸の10倍くらい難しかった。
こういう作業も慣れてはいるので、糸を切ることはなく突破できましたが。
そこから慎重に前に引っ張っていきます。
その先の、綜絖を通します。
ドロッパーを通ると糸は大体解れているので、大胆に綜絖を裁きながらで通ります。
そして、筬を通します。
太い糸だと、後ろを少し緩めて手前から一部ずつ引っ張り出すように通します。
細い糸だとそのまま通ります。
ここまで引っ張ってきてようやくフィニッシュ!
この後、ようやく織り付けをすれば新しいタテ糸を織ることができるのです。
この作業間にミスって糸を切りまくると、その補修作業に労力かけることとなります。
僕も数十本切ったこともありますし、
結び目が緩くて、100本以上補修することになったこともあります。笑
色んな痛みを知ることでレベルアップなのだ!
ミスやってこそわかる部分が多いのも、織物の仕事のあるあるかなと。
雑にやって痛い目見るのも自分なんで、必死ですよ!
そうやって、一つ一つ現場で叩き上げるのです。
今回は、その一つをご紹介しました。
また、ちょこちょこ仕事の工程を紹介していこうと思います。
身近にあるものに、どれだけ労力がかかっているのか裏側を知ってもらいたいなぁと思っています。