今回は、シルクの光沢感を活かしつつ、凹凸感を出した布が作りたい。
そんな、ぼんやりしたイメージからスタート。
1)布を作るときの思考回路
「どんな柄⇄どんなテクスチャー」
いつもボンヤリどんなの作ろうかなぁと考えていて、ふとでてきたらデータ化していきます。
柄を見て思いつくこともあれば、こんな手触り、表情というテクスチーのイメージから思いつくこともあります。
機屋として現場で布作りをしているから、どっちからでもアプローチできるってことなんです!
2)どんな組織にしようか?
組織というのは、タテ糸とヨコ糸の交差の順序を示します。
たとえば一番カンタンなものでいえば3原組織、平織・綾織・朱子織というものがあります。
もちろん、こういう組織も多様します。
今回の狙いは凹凸を出すこと!
そこをどういう組織で出そうか考えます。
部分的に二重組織にしたら、思った凹凸出るかな?みたいな。
こんな感じで、初見だと意味わからないデータを組んでいきます。
これは、タテ糸の針の上がり下がりを指示するものです。
3)どの糸を使うか?
凹凸を出すことを考え、シルクの糸とウールの糸を使うことにしました。
部分的に二重組織を入れることにしたので、ウールの縮みを利用してシルク側をふっくらさせる作戦です。
光沢感も出したいので、なるべく表面にシルクが来るように設計していきます。
タテ糸とヨコ糸の絡み方が織りの「組織」となるので、こういう考え方で作っていきます。
組織は同じでも、糸使い違えばガラッと雰囲気変わるものです。
4)図案のサイズ
サイズやピッチも見え方としての印象が変わるので大事です。
また、アパレル・インテリア・小物・など、どんな用途で使うかでサイズ感は変わっていきます。
今回は、アパレルを想定したサイズで柄を作ります。
大方ここまで考えた上で、データ作成に移ります。
常に頭の中をぐるぐるさせながら作っていくので、1枚の布を作るのも大変!!
5)試し織り
作ったデータを試し織り〜。
なんか柄の出方がイマイチだなぁと思ったら、即修正です!
お!よくなりました。
ちなみに、柄が浮き出ているところが、二重組織になってます。
加工すれば、ここに凹凸が出てくるハズです。。
柄の内側のダイヤも、糸を飛ばして立体的表情にして見ました。
こういった作業も分業しているところもあるんですが、僕は自分でやります。
労力はかかるけども、
アプローチが自由自在だからこそ、オリジナルの布が作れる!そう思ってやってます。
ギラギラ光沢のあるシルクを打ってみました!
だいぶ、印象変わりますね。
柄もより浮き出た感じになりました。
6)おわりに
自分で作ったデータを持って自分で織ってみるから、クイックタイムでの布作りができるんです。
「布は現場で作られている。」
データ上だけではわからないことだらけです。
組織データ作りに頭がこんがらがることもじばしば、実際織ってみて決めるってこともザラです。
自分でやっているから、この一連の経験値も全部もらえます。
だから、次の布創りに活かせる。
こうやって自画自賛の布を作っていきます。
自分が納得したものを作っているから、お客さんにも自信を持ってオススメできるんです!