米と日本|原風景を表現する

textiles

SHOCKMAN-BASEでは、「日本をテキスタイル上に再構築する」 というテーマのもと、

全く新しいアプローチによってテキスタイルを創り出しています。

真鍮×正絹|異素材mixのテキスタイル

世界初、メタルリボン織りテキスタイル

このテキスタイルは、タテ糸にシルクリボン・ヨコ糸に真鍮リボンを主軸に構成されています。

リボン織り」という技法を用いており、ヨコ糸に独自開発した真鍮リボンを織り込んだ異素材mixのテキスタイルです。

(糸に興味のある方はこちらのブログをチェックください。)

真鍮と正絹を組み合わせる意図は、無機物なモノと有機物なモノの共存にあります。

昔も今も、無と有の間にずっと未来は佇んでいるのです。

そのコンテクストは変わっていきますが、人の本質は変わっていません。

それを象徴するように、真鍮と正絹は幾重にも織り上げられて1枚のテキスタイルになるのです。

米と日本|原風景を表現する

テーマ

今回のテーマは、「八十八」

漢字の米の由来にちなんでいます。

米という字は十に米粒が四方に飛び散った様を表す象形文字です。

また、八十八もの手間がかかるという意味もあり、米粒を作るのに相当な労力が必要な様を表します。

白く輝くシルクの糸と淡いゴールドに輝く真鍮の糸を眺めていると、

頭の中に稲穂が垂れた風景が浮かび上がりました。

米というのは日本人の主食である以上に、日本の文化を考える上で重要なアイコンであります。

歴史を見ていくと、神事にも、貨幣にも、身体にも、お米の文化は深く関係していることがわかってきます。

艶のあるシルクに瑞々しいゴールド

その輝きがオーバーラップするその刹那に、日本の原風景を映し出そうという試みなのです。

テキスタイルデザインについて

八十八を組み合わせたような、格子柄で組み上げました。

テキスタイルデザインにおける紋図作成

僕の場合、デザインを作って紋図(織りデータ)に落とし込むことまで、全てやります。

なので、細かい調整もミリ単位!

テキスタイルデザインをミリ単位で調整する

「さほど変わらないからいいか」

ではなくて、プロ職人である以上、自分の納得するところを目指すのだ〜

制作背景

ほんの一部ですが紹介します。

リボン織り用タテ繋ぎの様子

このテキスタイルのタテ糸を繋いでいます。

手繋ぎで一本一本繋いでいく地味な作業

テンションが揃うように同じところで結んでいきます。

お次は、手織り用シャトルの糸巻きの様子です。

メタルリボンのボビン巻き

5mmのメタルリボンを一個ずつ巻いていく、これまた地味な作業

巻き方が悪いと出が悪くなるので、集中してマキマキ

メタルリボンと手織り用シャトル

力織機で織るけれど、手織り用のシャトルということは・・・・

?と思った方もいるのでは。

答えはカンタン、半機半手で織ってるのだ!

メタルリボンを入れるときは、織機を止めて手でシャトルを入れてます。

メタルリボン織り

手織りならシャトルを投げるように飛ばすけど、、、

これはメタルリボン、一般的な糸とはワケが違います。

金属なので糸が引っかかりやすく、投げてしまうとグネってしまい汚くなります。

なので、手押しシャトルスタイル!

このハイテクな時代に、あまりにも地味すぎる〜!

けれど、ローテクを極めることもまた、新たな領域展開です。

試行錯Goが大事、新たなテキスタイルには新たなスタイルが必要なのです。

メタルリボン織り、「八十八」のこだわり

メタルリボンとシルクリボン

タテヨコリボン、テキスタイル

タテ糸シルクリボン

ヨコ糸メタルリボン

ざっくり言えば、ねじれず織ることが一番わかりやすいところの技術です。

それを可能にするのは、整経・織り、その準備のすべての仕事の丁寧さにこそあります。

特に、異素材のものを組み合わせるのは大変!

地味かつ地道な作業の連続を経て、少しずつ織り上がっていくのです。

なので、1日に頑張って3m織るのが精一杯、

なんちゅう面倒臭いテキスタイルを作ったんだ!と自分にツッコミながら作っていますが。笑

米粒の表現

マンガなんか、ご飯の表現はモコモコした感じで、

そのあたりのテクスチャーを出すにはどうしようかなと。

今回は、練っていないシルク(生)のリボンを使って、ハリ感を出すことでそれに見立てました。

裏側を見るとよくわかるかな?

米粒の感じをテキスタイルで表現

ハリが出てぽつぽつした感じが、米粒のよう

織りの世界は奥深くて、柄だけではなくてテクスチャーを操って面白い表現をすることもできるのです。

それもまた織り組織や糸や加工の問題等々、いろんな条件によって変わるので、経験だけではなく試行錯誤を繰り返して実験的にやっていく場合がほとんどです。

織人のひとりごと

僕は整経(タテ糸の準備)から織りまでの工程、全てひとりでやって創っています。

創作はいつもなんとなくの手探りからスタートです。

今回も気まぐれのように、「金属の糸使いたいなぁと思って」GO

とにかく売れそうとかいう打算は捨てて、面白い方にひたすら転がっていく感じです。

それでも、新しいことには様々な諸問題が立ちはだかって、それをひとつひとつ地道にクリアしていくことになるワケですが。

だけれども、そのようなプロセスを経て出来たテキスタイルは、既存にはないモノのひとつです。

職人というのは、作り切るということがまず大事なように思います。

次に、そのテキスタイルの終わりではないと思うことが大事です。

常に、もっと良くなる余地がある、

そういう思いを頭の片隅に置いておくと、また違うカタチで頭にふってくるものがあるのです。

なので、この力作もまだまだ現在進行形系

次なる作品もこうご期待ください。

SHOCKMAN-BASE

textiles
スポンサーリンク
シェアする
フォローしてね!
スポンサーリンク
SHOCKMAN-BASE