アマゾンプライムで公開が始まった、007の最新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」について
見終わった後も能面の違和感が半端なくて、あれはなんだったのかを考察する回
あの能面はなんだったのか?
007にゴリゴリの日本テイストが入っているだけでも、ぬぬぬ!な感じだったが、
その中でも際立って違和感だったのが、能面。
今作、シリーズ初のアジア系監督であるキャリー・ジョージ・フクナガ氏
インタビューの一部に能面のことを語っている。
日本の能面にしたのは、見方によって表情が変わるのが、とてもミステリアスだから。
物にはそれを見る人間の心が投影される、ということを意味している。
仮面は何も変わっていないのに、違って見えるのは、見る側が変化しているということなんだ。
キャリー・フクナガ監督が今村昌平の影響を明かす!『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』はシリーズ初のアジア系監督作
なるほど、
能面を、解釈に奥行きを与える装置として用いた面もあるということかな。
ちなみに、能面は変わっていないけれど、左右非対称に作られるので、見せる角度によって見え方が変わるような物理的工夫があります。
また、モナリザ効果のように、なんとも言えない表情を作ることで、こちら側の心理を揺さぶる。
能面男は冒頭に出てくるので、全体のあらすじを知ってから見返す2回目は、
また違う見え方がするのかもしれません。
能面を読み解く|妄想の007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
引用元
僕はここにもう一つ、トランスフォーメーション(変身)の意が込められているんじゃないかと思うのです。
能面をかけるのは、異界の者になるという意があります。
能面が、この世の人間ではできない存在になるということの象徴とらえたらどうか。
能面男の正体であるサフィンは、復讐のために現れ躊躇なく殺していきます。
そして、ボンドもまた、復讐のために多くの戦いを仕掛けてきました。
主題歌と共に流れる映像の中に、ボンドがいくつもの能面を撃ち抜いていくシーンがあります。
つまり、この能面は敵であると同時に己自身でもあるのです。
007はスパイとしていくつもの変身をして、ミッションをこなしてきました。
そのどの自分(能面)も壊していき、最後は007としての役目を終えるのです。
異界との縁を切った世界には、家族が待っていたが、
それはボンドの運命には程遠い世界のようでもあった。
銃が螺旋状になって発砲されるシーンがとても美しく、
その弾道に浮かび上がるボンドが全てを現していた。
まさに美しき最後だったように思えて泣ける作品でした。
現在アマゾンプライムで見れるので、まだの方はぜひ!
以上、SHOCKMAN