こんにちは、織りを生業としている染め大好きマンです。
天気の良い週末に、サクッと染めをやるのはサイコーです。
今回は、藍染をやってみようと思います。
蓼藍と琉球藍、2つ染め分けてみてどう違うのか考察をしつつ
シルク100%の反物を染めていきますよ。
藍染が好きな方、これからやろうかなという方、ぜひ参考にしてみてください。
蓼藍染め
蓼藍で染めた青はこんな感じ。
う〜ん!キレイな青でウットリ。
藍染の魅力は、その過程にありますね。
藍がめに布が重ならないように、沈めていきます。
2分ほど中でゴソゴソしてから、
引き上げるとまだ青くない。
ここから空気を含むことで、段々と青くなっていくんです。
初見でなくとも「おおおおお〜〜」となる美しさです。
今回染めているのは、反物をトップスに仕立てた服です。(後染め)
イメージのカラーに近づけるべく、藍に浸けて空気に晒してを何度が繰り返し行います。
こんな感じの色味になりました。
ムラもなく、これからの季節にピッタリな鮮やかさ、グッド!(僕ではなく彼女が着るものですよ。)
琉球藍染め
琉球藍でも染めてみます。
お!蓼藍とちょっと違う。琉球藍の方がより鮮やかな青な気が!
その日のコンディションにもるので、正確にそうなのかはわかりませんが違いはありました。
「琉球」というワードに引っ張られてる感も少しあるんですが。笑
こんどは、長めの反物を染めました。
過程の青になる瞬間は、蓼藍と一緒で美しくありがたや〜
この段階でもやっぱり違うなぁ。
発色がいいような。
こちらも同じように、繰り返し染め作業を行いました。
染め作業は中腰でやるので、後になるとドット疲れがやってきます。汗
なかなか大変。
天日干ししたら、だいぶ色が薄くなりました。
そこを見越して、どのくらいで染めたいかイメージして作業を進めます。
こちらもムラが少なく、キレイに染まりました!
うーん、ずっと見てられる優しい青だ。
蓼藍と琉球藍、2つの違い
2つ染め分けてみて分かったのは、
蓼藍より琉球藍の方が少し鮮やか!?
主観的なものなので、断定はできませんけどネ。
そもそも藍の建て方も少し異なるので、違いがなきゃおかしいはず。
その辺を少し掘り下げてみます。
藍建て
藍の色素である”インディゴ”は不溶性なので、そのままでは染めることができません。
「還元」して水の中に溶かすことで被染物に吸着させて、そこから「酸化」をすることで青く染めることができるのです。
藍がめの中に浸けてから、引き上げて空気に触れると段々青に変わっていきますね。
これが、酸化還元反応です。
この還元の状態にすることを、「藍を建てる」と言います。
建て方の違い
蓼藍の建て方
乾燥葉による発酵建て(一般的には)
乾燥させた藍の葉を発酵させたスクモと糖質(ふすま・日本酒)とアルカリ剤(木灰)を入れて発酵を促していきます。(これが本藍染め)
木灰などの天然素材は安定性に欠けるので、化学薬品を使った「化学建て」が主流。
酵素の働きによって、インディゴが還元されるとロイコ体という黄色い溶液に変わっていきます。
引き上げた時くらーい黄色をしていたと思いますが、それ!
この状態までいくことで、水溶性になり染めることができるのです。
琉球藍の建て方
「沈殿法」によって建てます。
藍の葉を水の中に入れて、水の中にインディカン(インディゴの前駆体)と酵素を溶かし出します。
アルカリ剤(消石灰など)を入れて、攪拌して発酵を促します。
色素が沈澱していくのを待ち、上澄みを取り除くことで取り出していきます。
取り出した色素を建てるために、アルカリ剤と還元剤を入れて発酵させていきます。
過程で酵素がなくなっている分、ここで還元剤を入れる必要があるんですねえ。
蓼藍と琉球藍|考察とまとめ
今回、蓼藍と琉球藍を染め分けてみました。
建てるまでの行程の違いはありますが、やってることは一緒です。
「藍から色素を取り出して、水溶性の状態にして染める。」
化学的に見れば、どの種類の葉でも同じインディゴとなるので一緒なのかもしれません。
状態にもよるので、違いが出るとすればそこの差かなぁと思います。
でもこうやって作られる過程を辿っていくと、やっぱりそれ独自の青があるなぁと思うのです。
そして、「何度見ても美しい!」と思える藍染め。
染め分けてみて、さらにこの染めの奥深さを知るきっかけとなりました。
藍染一度もやったことないという方は、ぜひ体験してみてください。
藍染工房(紺屋)など、体験やってるところ多いですから。
できればワークショップ的なのよりも、作っている現場に行く方がいいですよ。
強烈な発酵臭の中でやる!というのが藍染を味わうコツです。笑