【DESIGN WEEK TANGO 2021】 丹後産地の課題|何を100年後につなげるのか?

丹後散策

こんにちは、SHOCKMANです。

ただいま、丹後ではDESIGN WEEK TANGO 2021というオープンファクトリーイベントが動いています。

そのページを見にいくとこう書いてありました。

「100年後につなげる丹後のモノづくり」

僕が率直に思ったのは、「つなげるとは?」ということです。

正直なところ、丹後産地の現状をみる限り言葉だけという感じが拭えません。

「つなげる」というワード、そこに丹後産地の課題がガチッとしがみついています。

大事なのは労働力ではなく”人財”だ

全国繊維産地、直面している問題は”高齢化に伴う後継者不足”です。

特に丹後産地では、その高齢化も激しく「あと何年働くか?」ぐらいの工場が多いのです。

織物の場合、織る工場である”機屋(はたや)”だけではなく、その準備工程にある工場(吊り込み屋・機械修理・整経屋・紋屋・繋ぎ屋・整理加工など)の後継者不足が特に懸念されています。

機屋であれば実際生地を作るところなので、やりたい!という若手は出てくる可能性ありますが、

準備工程においては、後継ぎ以外でやりたい!という若手の期待はかなり薄いのではないかと思います。
(他産地を見ても、いなくはないけれど限りなく少ない。)

アホな経営者には見えていない現状

「丹後の人材=安価な労働力」という見方しかしていないので、育成という観点がゼロ

モノづくりにおいて経営者と現場が切り離されているのはアホで、それが悪い循環を産んでいるのがリアルです。

伝統産業がうんたら、これらのモノづくりがなんとか、、、言葉だけは前のめりだけれども、蓋を開けてみれば口だけかよ!みたいなところは多々あるもので。

分業制が強い産地なので、未だ”織り子”としてやれればそれで十分と考えているところが多いが、産地の先々を見通していけばそれでいけないことは明確だと思います。

中小ぐらいの規模であれば、パワープレイでそれも可能なのかもしれないけれど、僕ら小規模工場においてそんな考えでは遅れをとることになるのです。

現在を先延ばしにしたような体制で、今後の産地の可能性は広がるのか。

一体何を100年後につなげていく?

だから、守備範囲を限りなく広くしているのだ

僕の場合キャリアを捨てて現場という道を選んだ経緯もあり、こういった現状を伝えていくと共に自分ができることを一つずつ広げていこうという思いで技術習得に励んでいます。

もうすぐ5年目を迎えますが、整経・カセ染め・繋ぎ・紋彫り・織り・修理、など習得してレベルアップをしている最中なのです。

前になんでもやってます!という話をしていたら「どの工程が好きですか?」みたいな質問をされたことがあります。

「そんな好き嫌いで仕事を選んでないので、ない!」というのが正直な答え。

側から見る分には、楽しそうなことしてるなぁなんて感じかもしれませんが、なんだって仕事となれば量と精度が求められるのでしんどいですよ!

産地の先々を見通したときに、今覚えずにアホやってて、

10年後に「準備工程やる人がいないので、僕には織れましぇん。」なんて無責任でバカなことを言いたくないから、守備範囲を広げているわけです。

習得するのには時間と根気が必要だけれども、「死ぬまでモノづくりやっていきたい!」という意気込みで入った道なので頑張れています。

丹後産地の課題|人財という視点

今回は、”100年後につなげる丹後モノづくり”という言葉をみて、「一体何を?」ということを自分なりに考えてみました。

僕なりにこの産地を見て、若手層がとにかく薄い、弱い!という懸念があります。

役所も会社も、もっとその辺に危機感を持たなくてはいけないのに全く見えていない。

諸問題あるんですけど、無能な人間を並べ立てるよりも僕ら若手が頑張っていく他ないわけです。

皺寄せは僕らの時代(10年後以降)に必ずやってきます。

だから、未来は僕らの腕の中にある!

人財になるべく成長するためには、とにかく時間がかかります。
10年、20年の経験がモノをいう世界です。

いろんな面で厳しいこの業界で、情熱を持って前進していくこと。

たかが一人でできること、このたかがをどれだけ広げてステップアップしていけるかが大事だと考えています。

そこに執着して、技術を擦り上げていく。

そういう人を一人でも多く増やしたいし、そのために自分自身がまず成っていくことを目指しています。

以上、押忍でした。

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